松竹梅の案を出す時の心理
何らかの機能の実装や要件などを決めるときに松竹梅でランク付けした案を提案することがあるんだけどこの時に自分の中に心理戦みたいなのがあってそのときの思考の流れを書いておこうと思った。
そもそも松竹梅とは
いわゆるジャパニズムなランク付けで松が最上級、ついで竹、梅という感じ。古い旅館に行くとよく見るやつ。*1。
開発する時の状況にも寄るけど以下のような感じ
- 松が最高の実装だけどコストも高い。
- 竹が妥当な現実的なコストとパフォーマンス。
- 梅が妥協したり幾つかの機能や要件を削ったりする。
ざっくりこんな感じ。あんまり明確には決まってないけど以下の様にメリットがある
メリット
まとめると、チームやプロダクトの最高の状態を共有することができる。
ほとんどの場合は松の案は採用されないけど、この松案にはチーム内で「じゃあ、今足りてないものはなにか、それを解決するための最高の解決策はなにか」ということなので、(コスト度外視で) 自分たちのプロダクトを最高にするための案が集まる。
そうすることで今のチーム内でぼんやりとしていたことがだんだんと明確になる。夢を見るのは楽しいよね。
多くの場合は松の中から竹案を考えることが多い。このときに松案の中に要件を満たすのに本質的じゃない項目があると竹案がぼんやりしてくるので、好き勝手に松案を豪華にはしないことが重要。わびさび。この段階ではコスト(実装コストとかお金とか)の話もあるので見積りもやっておくとよい。松案でコストの話をしても巨大な妄想の場合には避けたほうがよいかも。
梅案はランクは一番下だけど、「ここは譲れない」とか「これは必須」みたいなものが残る。これもチームメンバーが普段どのようなことを考えているのかを共有することができる。つまり松は最高のチームやプロダクトを目指すための方針、梅はチームやプロダクトに必要なことが集まって、竹はお互いの良いところどり、という感じ*2
デメリット
松竹梅を考えるときに、プロダクトに集中しすぎたり、チームに集中しすぎたりすると、メンバーに合意してもらいやすいような材料を用意してしまいがち。外堀を埋めるみたいなのは重要だけど、どちらかと言うとなるべくフラットな状態で会話していきたいところ。
まとめ
メンバーの思っていることをアウトプットさせるのに松竹梅は結構有用だけど、俯瞰して全体像を見失わないこと。
*1:今調べてみたけど明確な優劣があるわけではないとのこと 松竹梅 - Wikipedia